大中 恩　愛の歌曲集 Ⅳ　こんなしずかな晩は

心やさしい歌に出逢いたい…ソプラノのための素敵な歌曲集
「少しの作為的なものもなく、極めて自然に、心の優しさを表現できるひと･･･。歌うことによって、たくさんの方々に伝えられるひと･･･」と大中恩が絶賛するソプラノ・小泉惠子氏が、大中恩のフシギで奥深い世界を、美しく、しかも迫力を持って再創造したアルバム。2000年初発売。

歌曲集「子供部屋」（詩：竹内てるよ）、歌曲集「この道をマリアと」（詩：村上博子）、歌曲集「あじさいの街から」（詩：芦野裕美子）、他11曲の歌曲を収録。

「大中恩が霊南坂幼稚園に入った昭和初年から戦争が始まるまでの約十年間に、父親の大中寅二は２、３年に一冊ずつの割合いで『子供の歌曲』と題をつけた小さな曲集を出版しています。それらの素朴で美しい簡潔な言葉は、深山澄をはじめ、すべて幼児教育の現場で働く人か、保育科の学生か、それとも園児の作品なのでした。こういう歌を、うたって育った大中恩も、専門家ずれのない、よきアマチュア性の輝きを失わない詩人の作品を、プロとアマチュア、有名と無名を問わず、みつけ出す嗅覚を持っています。このアルバムのすべての作品が、そのような鉱床から掘り出されたと言えましょう。」阪田寛夫（ライナーノーツより）

「こんなしずかな晩は」
1978年（昭和53年）作曲。大中作品を歌っていると、「最近、お母さんとっても優しいね」と家族から言われちゃうんですよと苦笑いをしながら小泉恵子さんが話して下さった。「自分の中に子供を持っている」詩人と作曲家の作品を、小泉恵子さんのソプラノが温かく包みこむ一曲。

大中恩（おおなか・めぐみ）
1924年生まれ。作曲家。東京音楽学校（現東京芸大）作曲科卒業。「いぬのおまわりさん」「サッちゃん」など子どものための音楽の創作と発展に尽くし、自作品のみを演奏する「コールMeg」を30年間にわたって主宰。1960年代以降、多くの声楽家と歌曲の作曲・演奏会を重ねている。1989年紫綬褒章受章。

ソプラノ：小泉惠子　ピアノ：宮下俊也

［録音］2000年9月11日、12日　秩父ミューズパーク音楽堂
［初発売］2000年ビクターエンタテインメント

［収録曲］
歌曲集「子供部屋」
1　ぴいぴ
2　白梅
3　麦笛
4　ペリカン
5　五月のうた
竹内てるよ詩／作曲：大中恩

歌曲集「この道をマリアと」
6　街角で
7　渚
8　病
9　夏のマリア
10　成熟
11　道
村上博子詩／作曲：大中恩

歌曲集「あじさいの街から」
12　雨と少女
13　あ・の・ネ
14　リンゴの秋
15　お星さまになったママへ
16　アヴェ・マリア―おかあさん…―
芦野裕美子詩／作曲：大中恩
17　恋人たち
18　KISS
樋詰喜久子詩／作曲：大中恩
19　傘
蓮月マリ詩／作曲：大中恩

歌曲集「月曜日の詩集」より
20　花屋さん
高田敏子詩／作曲：大中恩

「北島万紀子詩集」より
21　春夜
22彷徨へる旅路に
北島万紀子詩／作曲：大中恩

「こどものうた曲集」より
23　きょうみたいな日には
24　六月
25　こんなしずかな晩は
高村喜美子詩／作曲：大中恩

26　そばにいてほしい
土田藍詩／作曲：大中恩

27　しずかに
土田藍詩／作曲：大中恩